ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2018.8.6 11:53日々の出来事

お前の死ぬことが国家に役立つのだ

「ゴー宣道場」でわしが言ったルソーの言葉を紹介
しておく。
わしの『民主主義という病い』(幻冬舎)で、描いた
言葉だから、わしの読者なら、知っているはずだ。

「統治者が市民に向かって『お前の死ぬことが国家に
役立つのだ』というとき、市民は死なねばならぬ。
なぜなら、この条件によってのみ彼は今日まで安全に
生きてきたのであり、また彼の生命はたんに自然の
恵みだけではもはやなく、国家からの条件付きの贈物
なのだから」

ルソーの「社会契約論」の有名な一節である。
近代民主主義が誕生する原動力となったのが、
ルソーの「社会契約論」である。
朝日新聞が民主主義の教師のように重宝する高橋源一郎が、
民主主義とは何かを説明するときに、絶対に伏せてしまう
一節である。

民主主義も、国民国家も、基本は軍隊を持ち、徴兵制を
敷くことから始まったのだ。
井上達夫氏が徴兵制を主張したからと言って、今さら
驚くのが不思議でならない。
フランスにおいても、日本においても、国民国家に
なるときには、軍隊を持ち、徴兵制を敷いた。
それが民主主義の基本であり、自由・平等・同胞愛の
基盤ではないか!
全く当たり前のことを、今では政治家も知らないのだ
から、思わず貧血を起こしそうになる。

福岡で「ゴー宣道場」のゲストに来てくれた憲法学者・
井上武史氏が、わしの著作で一番好きなのが『民主主義
という病い』と言っていたが、もはや学者しか読めない
漫画だったのかもしれない。
政治家ならば、ルソーの「社会契約論」くらいは読んで
いてほしい。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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